先日、新しい布が届きました。 タンザニアから仕入れた生地はとっくになくなり、今は日本国内の輸入ショップから取り寄せています。これも次の生地を仕入れるまで、と思っていましたが、素敵な柄が多くてこっちもいいなと思っているところです。実際に手に取って感じた、生地の魅力をお伝えしたいと思います。
アフリカンテキスタイルが持つ「意外な歴史」
今回届いたのは、こちらの生地。 今回は少し定番的な柄も選んでみました。
実は、アフリカのプリント生地(ワックスプリント)のルーツは、イギリスやオランダを中心としたヨーロッパ。もともとはインドネシア向けに作られたものの、現地ではあまり受け入れられず、西アフリカへ持ち込んだところ大ヒットし、そこからアフリカ全土へ広がったと言われています。また、マサイ族が身にまとっている美しいタータンチェック「シュカ(Shuka)」も、イギリスの植民地時代にもたらされたものです。
いま私が使用しているのは、ワックスプリント。密度が詰まっていて少し厚手で、しっかりとした風合いが特徴です。
布に込められた、言葉とメッセージ
私が活動に参加しているタンザニアは東アフリカに位置するため、現地では「カンガ」と呼ばれるパネル柄の生地がよく使われています。ボイル地なので織りが甘く、ワックスプリントに比べて柔らかいのが特徴です。
そんな「カンガ」には、一枚一枚にスワヒリ語や英語の言葉が記されていて、それぞれに深い意味があります。 以前、タンザニアのママさんに作ってもらった商品にはこんな言葉がプリントされています。
【TUKAE KINDUGU MUNGU ATUPE UCHAMUNGU】
「神が我々に敬虔さを与えるよう、お互い仲良くしましょう」
次回、タンザニアから直接生地を持ち帰ってきた際には、また詳しくご紹介しますね。
さて、今回購入したワックスプリントの生地で、早速作ったのがこちらの柄です。 この柄はガーナの言葉で「Nsu Bura(ンス・ブラ)」と呼ばれ、「井戸」を意味するモチーフ。水面に広がる波紋を表しています。
「井戸に石を投げ入れたときに生まれる波紋のように、私たちの行動もまた、社会に変化の波を広げていくことができる」
というメッセージが込められているそうです。これは、オランダのテキスタイルデザイナーによってデザインされたもの。とても人気のある柄です。
ワックスプリントにはカンガのように文字が直接プリントされているわけではありませんが、名前や、意味が込められているものがあります。
こちらの柄には、
【dua kur gye enum a obu】
「一本の木は嵐(風)を受ければ折れてしまうが、森になれば強くいられる」 というガーナのことわざに由来するメッセージが込められていました。
時代と国境を越えて、巡り合う魅力
このように、アフリカンテキスタイルはヨーロッパで生まれ、そのデザインの多くは欧米のデザイナーによって手がけられてきました。そして今では、その独創的な色彩やデザインが、多くのクリエイターやデザイナーたちを魅了し続けています。
ヨーロッパ、アジア、そしてアフリカを結びながら、長い年月をかけて育まれてきたテキスタイル。そこには単なる布地を超え、アフリカの人々の暮らしや歴史、思いが幾重にも映し出されています。
さまざまな国や文化を巡り、現代にも通じるグローバルな繊維ビジネスの中で発展してきた背景。そして、その一枚一枚に込められた人々の願いや物語。だからこそ、アフリカンテキスタイルは単なるファッションを超えた魅力を持っているのですね。





